2016.02.21
1484文字 / 読了時間:1.9分程度
三国志

陸抗の子、陸機、陸雲の兄にあたる陸晏、陸景について。

陸景の手紙、陸晏宛の手紙が残っていて、それの日本語訳みつけたのでメモ。

まず、残っているのは藝文類聚。

藝文類聚巻二十一人部友悌

維基文庫

【書】呉陸景與兄書曰.向訣不知所言.追惟銜恨.恨結胸懷.懷此戀恨.何時可言.望路則尚近.別已千里.其為思結.纏在心膂.於是離折.路人悲之.況處此戚.兼之懿好.情之感咽.何時可勝.念兄始出.既當勞思.嚴寒向隆.經塗轗軻.既宜保德.為世作資.厚自珍愛.

又與兄書曰.自尋外役.出入三年.緣兄之篤睦.必時存之.寶錄兄書.積之盈笥.不得新命.無以自慰.時輒溫故.以釋其思.有信勿忘數字.每見手跡.如復蹔會.

で、日本語訳があるのはここ。

日本語訳というか書き下しだけど。
引用してみると(ルビつきのはルビの方、変換めんどうなのはてきとうにひらく、適宜改行)

さきにわかれてより言ふ所を知らず、追惟しては恨みをふくみ、恨みは胸懐に結ぼる。
此の恋恨を懐きては、何れの時にか言ふ可けんや。
路を望めばすなわちなほ近きも、別れてすでに千里なれば、それ為に思ひは結ぼれ、纏はりて心膂にあり。
ここにおいて離折し、路人これを悲しまん。
いわんやこの戚に処り、かねてこれ懿好するをや。
情の感咽する、いずれの時にかたふべけんや。
おもふに兄は始めて出で、すでにまさに労思すべけん。
厳寒、さかんなるに向かはば、経塗は轗軻ならん。
すでによろしく徳を保ち、世のために資と作すべし。厚く自ら珍愛せよ。

尋いて外役してより、出入すること三年なり。
兄の篤睦により、必ず時にこれを存す。
兄の書を寶録し、これを積みて笥に盈てり。
新命を得ざれば、もって自ら慰むる無し。
時に輒ち故を温め、もってその思ひを釋かん。
信有らば数字を忘るることなかれ。
手跡を見る毎に、また暫く会するが如し。

※信→使者、手紙などを運んでいた者のこと

てことで、陸抗の長男と次男のこの二人は、西晋の呉征伐で戦死したけれど、仲は良かったのかなあみたいな。

陸景は、陸抗に離縁された張氏の子だけど、陸晏は長男だけど同母だったのかな。

陸景の血統についてはこんな記事かいたけど。

http://3594.atehs.net/archives/984

そしてこんな。

陸抗伝注

文士傳曰:
陸景母張承女,諸葛恪外生。恪誅,景母坐見黜。
景少為祖母所育養,及祖母亡,景為之心喪三年。

(注)
『文士伝』にいう。
陸景の母親は張承の娘で、諸葛恪の姪にあたる。諸葛恪が誅殺されたとき、陸景の母親もそのことで離縁されたため、陸景は幼いときから祖母の手で育てられた。その祖母が死ぬと、陸景は祖母のため三年間の心喪に服した。

陸景についてはこういうのが残っていて陸晏にはないから陸晏は違うのかなあとも思ったけれど。
「陸景は幼いときから祖母の手で育てられた」ってあって(祖母は父方祖母のはず、たぶん孫策の娘の孫氏)陸晏はどうなのかと思うんだけど、手紙の陸景から陸晏へのなつき方によると、父方の祖母ならそもそもそんな離れ離れって気もしないけど、たまたまこれは陸景について書かれたものだったから陸景のことだけ言及していただけで、陸晏も同母で同じように育ったのかな、とも思ったり。

それにしても陸抗の子の兄弟たちは仲がいい気はしたり。二陸とか。

(旧ブログ2015.01.03記事移転)









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