2016.02.21
1772文字 / 読了時間:2.2分程度
三国志

鍾繇さんの不思議エピソード、山椒について?

(鍾会伝)

  魏氏春秋曰:會母見寵於繇,繇為之出其夫人。卞太后以為言,文帝詔繇復之。
繇恚憤,将引鴆,弗獲,餐椒致噤,帝乃止。

『魏氏春秋』にいう。鍾会の母は鍾ヨウから寵愛された。鍾ヨウはこのためにその夫人を離縁した。卞太后が彼女のためにとりなしてやったので、文帝は鍾ヨウに復縁せよと勅命を下した。
鍾ヨウは憤激し、鴆毒をとりよせようとしたが手に入らず、山椒を食べて口がきけなくなったので、帝はとりやめた。

鍾繇と曹丕とのいきさつはここではおいといて。

鍾繇が憤激して鴆毒を取り寄せようとしたのは、鴆は毒として有名なものだし、毒を飲もうとしたんだろうと考えられるけれど。

でも、ちくま訳をみると、鴆が手に入らなかった鍾繇が実行したのは「山椒を食べて口がきけなくなった」という謎行動だったり……。

なんで山椒を食べるの……というところは、シュールで鍾繇のおもしろエピソードとしては楽しいし好きだけれど、それでもどこか疑問ではあったり。

てことで調べてみたのが数日前の夜中。

Twitterにぽちぽち書いたので、その収録。

Twitterの収録

もう一度流れの確認

ちくまの「山椒」は原文では「山椒」ではなく「椒」である。
  ↓
「椒」ということで、後漢からあった「神農本増経」(薬の本)を探してみると、「椒」でありかつ「毒」なものが存在することが確認できた。
  ↓
「巴豆 味辛溫有毒。主治傷寒溫瘧寒熱,破癥瘕結聚堅積,留飲痰癖,大腹水脹,蕩滌五臟六腑,開通閉塞,利水穀道,去惡肉,除鬼毒蠱註邪物,殺蟲魚。一名巴椒。生川谷。」
  ↓
鍾繇はこれかこれと類似の書物なり知識なりにもとづいて、鴆の毒の代わりの毒として「椒」の毒を使おうと考えた。
  ↓
鍾繇が有毒な「椒」として手に入れて食べた「椒」が実際は何かは分からないが、それは口を聞けなくさせるようなものではあった。

てことで。
ちくま訳をこの解釈で書き換えてみるとこんな感じ?

(原文)鍾ヨウは憤激し、鴆毒をとりよせようとしたが手に入らず、山椒を食べて口がきけなくなった
  ↓
鍾ヨウは憤激し、鴆毒をとりよせようとしたが手に入らず、【代わりに(山)】椒を食べて口がきけなくなった
  ↓
鍾ヨウは憤激し、鴆毒をとりよせようとしたが手に入らず、代わりに椒を食べて口がきけなくなった

こう解釈すると、より辻褄はあってくる。

面白エピソードとしては微妙になるけれど。

鍾繇はまじめに自殺しようとした説?

鍾会母のために。

とりあえずこれで鍾繇が死んでたら、鍾会どうなったのかなあとか思ったり。

そういうifとかそのうち考えてみようかなとか。

おわり。

(旧ブログ2015.07.07記事移転)









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